竹四方宜興ティーポット

宜興は紫砂茶壺だけでなく、豊富な竹の産地としても有名で、宜興茶壺に「竹編み」の技法がよく用いられているのも不思議ではありません。竹編みの宜興茶壺は、職人が彫刻刀だけを使って「竹糸」を少しずつ丁寧に彫り込むことですべて作り上げられます。この工程には絶対的な集中力が求められ、職人が最適な肉体的および精神的コンディションのときにのみ実行できます。少しでもミスをすると「竹糸」が切れ、これまでの努力がすべて無駄になってしまう可能性があるからです。このような精巧な職人技は、まさに「刃先のバレエ」です。そのため、竹編みの急須を宜興茶壺の最高傑作と呼んでも過言ではありません。