Xi Shi Yixing ティーポット

フュージョンコレクションは、有名な紫砂土配合（焦土）技法を用いて作られた宜興茶壺を特徴としています。この技法とは、2種類以上の異なる色の紫砂土を、練り、圧縮、重ね、象嵌などの手法で組み合わせるものです。配合された陶土を使った宜興茶壺は、伝統的な紫砂土の通気性と熟成特性を維持しながら、深み、色のコントラスト、そして独特の美的価値を加えています。

黄龍山のウーニ粘土を熟成させて作られたこの西施急須は、宜興伝統の古典的なフォルムを特徴とし、古代中国四大美人の一人である西施にインスピレーションを得ています。丸みを帯びたふっくらとした胴体に、切り込みの入った蓋、短くやや太い注ぎ口、そして逆耳型の取っ手が組み合わされています。全体のシルエットは優美でバランスの取れた美しさです。

このティーポットの表面には、木目調の模様が水平に伸びる印象的な模様が施されています。波のような模様の上には、まるで風に吹かれた砂丘に浮かぶ孤独な太陽や月を思わせる円形の点が一つ置かれています。明るい土と暗い土の自然なコントラストが、この作品に静謐で、まるでシュールな風景画のような印象を与えています。